金曜日, 03.09.2010 09:36
 
 

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文化

ブレンデルに高松宮殿下記念世界文化賞

スターピアニストのアルフレート・ブレンデルが、栄えある「世界文化賞」を常陸宮殿下の手から受けた。受賞者それぞれに賞金1,500万円が贈られるこの賞は、文化芸術部門のノーベル賞として知られる。

文 マルティン・オルト

世界的に著名なピアニスト、アルフレート・ブレンデル(78)が、09年の高松宮殿下記念世界文化賞を受賞した。1989年に日本の皇室の提唱で創設された「世界文化賞」は、文化芸術部門のノーベル賞として知られる。絵画、彫刻、建築、音楽、映像・演劇の各分野で、世界的に顕著な業績を残した芸術家に、毎年、日本美術協会が授与する。ことしの5部門の受賞者は、ブレンデル(音楽部門)のほかイギリスのトム・ストッパード(演劇・映像部門)、日本の杉本博司(絵画部門)、イギリスのリチャード・ロング(彫刻部門)、イラクのザハ・ハディド(建築部門)の各氏。受賞者には顕彰メダルと感謝状、賞金1,500万円(約11万1000ユーロ)が贈られる。去る10月22日、厳粛な授与式が東京で行われ、ブレンデルには日本美術協会の総裁を務める常陸宮殿下から世界文化賞が手渡された。

1931年にオーストリア、ドイツ、イタリア、ユーゴスラビアの血を引く家系に生まれたブレンデルは、ピアノ演奏の世界的な巨匠である。ザグレブとグラーツの音楽大学でピアノ、作曲、指揮を学んだ後、名ピアニストのエドヴィン・フィッシャーの下で研鑽を積んだ。ブレンデルはベートーヴェンのピアノ曲を全曲録音した最初のピアニストとして知られるが、シューベルトのピアノソナタを一般的な演奏会曲目として普及させたり、リストのピアノ作品の真価を再認識させることにも貢献した。ハイドン、モーツアルト、シューベルトのソナタは、この数十年間ブレンデルの重要なレパートリーとなっている。ピアニストとして有名になり始めたころからブレンデルは、「一生、共に過ごしていけるような」作品しか演奏しないと決めていたという。世界で最も人気の高いピアニストとなった現在も、自己顕示的な演奏には違和感を抱く。「私にとって、ピアノは崇拝の対象ではなく、目的達成の手段に過ぎない。目的は、自己を顕示することではなく、音楽作品を生き生きと蘇らせることなのです」。08年12月、ブレンデルは60年に及ぶ華々しいキャリアに終止符を打った。引退にあたっての巨匠のコメントは、いつものようにユーモアたっぷり。「とくに年をとったとは思いません。2,3の曲は、体力的な理由でもう演奏しませんが、歯はまだ全部本物ですよ」と、08年度のシュレースビッヒ・ホルシュタイン音楽祭では観客を前ににこやかに語っていた。

08.12.2009
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