金曜日, 03.09.2010 06:49
 
 

地域

完璧にとらえられた「日本」

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「ドイツ語に感謝しています」

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マンガになったグリム童話

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ブレンデルに高松宮殿下記念世界文化賞

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スヴェン・キリアンは、ドイツ企業の依頼により日本で最新トレンドを探る

東京の街頭でトレンド探し

スヴェン・キリアンはトレンドリサーチ会社CScout(シースカウト)の東京オフィス責任者で、ドイツ企業の依頼で日本の最新トレンド情報を探っている。どんな仕事なのか聞いてみた。

聞き手:マルティン・オルト

キリアンさん、「東京で流行るものは、やがてドイツでも流行る」といわれます。東京でも特別トレンディーな渋谷などは、将来のトレンドのショーウインドーといえるのでしょうか。

それは、分野にもよりますね。日本は多くの技術分野で世界をリードしており、マーケティングは模範的、製品開発のアイデアの豊富さでは当たるところ敵なしです。さらに、ファッションに関しては日本は申し分のないインスピレーションの泉です。その意味で東京の特定の地域は、トレンドのショーウインドーといって間違いないでしょう。

最も収穫が多いのは、どの分野でしょう。

非常に関心を持たれているのは、モバイル技術、RFID(ICタグ、ICラベル)、E-Cash(電子キャッシュ)、E-Book(電子ブック)などの分野です。もっとも、技術そのものよりも、その技術から生まれるメリットや、製品やサービスに対する関心のほうが強いといえます。食品、飲料水などの分野では、製品サイクルがわずか3カ月以下ということも珍しくありません。デザインやパケージを一新することで製品をヒットさせますが、化粧品やボディケア用品の場合もほぼ同様です。ファッションに関しては、若い日本人のひとりひとりの非常に異なる個性的な着こなしが、週単位で、ものすごい量の新しいデザインやスタイルを生み出していますね。また日本では、製品によってはたった数個しか作られないモデルもあります。「限定版」が、すごいインパクトをもつのです。それから、各種ハイテク装置から記憶力トレーニング用のPDA(携帯端末)などまで、エンターテインメント分野は非常に重要です。もちろんほかにもテレビのワイドショー、アニメ、マンガ、カラオケ、ラブホテル、パチンコ、携帯小説、ショッピングなども目が離せません。

トレンドスカウターとは、毎日どんなことをするのでしょうか。

私たちの時間の大部分は、様ざまな刺激をキャッチすることに費やされます。つまり、街で“ゲリラ的なマーケティング”を展開したり、技術見本市やおもちゃ見本市などをのぞいたり、ネットワーキングのイベントに参加したり、ブログを読んだり、いろんなマガジンに目を通したりします。大切なのは常にアンテナをピンと張り、感覚的に体験したことを後で整理してきちんと分析することです。つまり、ある現象が単なる「ハイプ」なのか、それともヒットする製品やサービスにつながるのか、の分別です。この流行はメインストリームになるのか、それとも少数派の意思表現で終わるのかを、見極めなければなりません。とくに大切なのは、そのトレンドがわが社の顧客のブランドとマーケットに利益をもたらすかどうか、それをはっきりつかむことです。

あなたが集めた情報は、その後どう扱われるのですか。

残念ながら、正確なことは知りません。というのも、わが社が協力する企業では情報をすぐに活用するのではなく、ひとまず自社のノウハウとして、2年ないし5年後にそれを元に開発した新製品をようやく市場に出す、ということがほとんどなのです。しかし、私たちの努力が実を結んだことがはっきりと分かる製品やサービスもあり、そういうときはとても嬉しいです。とくに、モバイル関連企業の場合は、はっきりしています。5年ほど前、日本ではMP3プレーヤー、高解像デジタルカメラ、カラーディスプレーはすでに広く普及していました。いまではヨーロッパとアメリカもほぼ日本に追いついていますが、わが社はこれに寄与したと思っています。もうひとつ例を挙げますと、ドイツのある大手自動車メーカーのために行ったプロジェクトも、大変うまくいきました。わが社は、このメーカーのマーケティング・イノベーション部に詳細なリポートを2年以上も送り続け、締めくくりとして1週間の日本ツアーを実施しました。目的は、日本企業とのパートナーシップを発展させ、アイデアを具体化させるためでした。こうした努力が実って、ドイツの顧客は携帯マーケティングに踏み切ったわけで、この戦略はいまも効力を発揮しています。

ドイツと日本の企業では、イノベーションに対する考え方が異なるようです。どのように違っているのでしょうか。

ドイツでも日本でも、イノベーションは3つのグループに分類されます。まず、画期的な発見・発明が第一のグループで、開発を継続して製品やサービスを改善・補足するイノベーションが第二のグループ。そして見かけ上のイノベーション、つまり、マーケティングやパッケージングや機能追加などによって、消費者の目には製品やサービスに新たな付加価値が加わったと映るようなイノベーションが、3つめのグループということになります。ドイツでは本物の発明は大ニュースになりますが、新製品が登場するたびに大喜びするようなことはほとんどありませんね。

同じドイツの企業でも、日本で成功する企業と、そうでない企業がありますが…。

こうすれば必ずうまくいく、という「成功のレシピ」はありません。しかし、マーケティングを絶対疎かにできないことだけは確かです。日本人は有名ブランドへの愛着が強く、ゾーリンゲン、リモヴァ、BMW、メルセデスベンツ、ポルシェ、アディダス、プーマといったドイツの企業は、非常に人気があります。しかし、新しいブランドを日本に定着させようとしたら、それこそ広報活動、見本市出展、宣伝活動を精力的にこなさなければなりません。とくに大切なのは、販売をバックアップしてくれるだけではなく、宣伝活動に欠かせないオンライン・オフラインのマガジンとのコネクションも持っているような、強力なパートナーと手を組むことです。しかし、単に革新的な製品を提供できるというだけでは不十分で、それを絶えず改良し、新製品を投入することが大切、ということを絶対に忘れてはなりません。これはもう、企業にとっては至上命題といえましょう。

最後にお尋ねしますが、ベルリンは日本人にとって同じように興味深い流行の発信地ではありませんか。

おっしゃる通りです。ですからわが社も少し前から、ベルリンのトレンド情報を日本人に提供するサービスを初めています。

23.02.2009
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